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一人でできることは一人でやれ。みんなでやることはみんなにやらせろ。
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19:06:16
 このお話を初めから読む↓
 Log.1 帰還(めざめ)
 Log.2 組織(だすと)
 続きからどうぞ。

 ガジモンが入っていた段ボールには、これから総也が行かなければならない場所への地図が入っていた。それは確かに自分の町の地図で、しかし、念を押すように「この道順に進むこと」と書かれていた。
「ねー。近道できるなら近道しましょうよー」
 後ろをついてくるガジモンはぺたんとその場に座り込んでしまった。デジタルワールドではない環境では、ガジモンへの負担はかなりのものらしい。
「そんなこといったって、こう進むようにかかれているんだから仕方がないじゃないか」
「うえー、疲れたー。おんぶーっ!」
「こら、ガジモン……っ!」
 飛びかかるガジモンをかわしつつ、わざわざ迂回するようにかかれているその指示の通りに進む。するとだんだん見慣れた路地に霧が立ちこめてきた。
(なんだ……これ……)
 と、不思議で仕方なく、つい歩む足が遅くなる。
「ちょっと総也、早く行きましょうよ」
 気づけば、そんな総也をガジモンが促すようになっていた。ほんの少し前の状態とは大違いだ。ガジモンはとても生き生きしていた。
「ガジモン、おまえ、なんか元気だな」
「うん。なんだかすごく調子がいいの。まるでデジタルワールドにいるみたい。ねえ総也、この角をどっちに曲がるの?」
「あ、おい待てよ。えっとその角は……」
 そんな一人と一匹の珍道中がたどり着いたのは、一軒の洋館だった。何年前からここに建っているのかわからないほど古びている。枯れた生け垣に囲まれて、門の格子も塗装が剥げてしまい、そこから赤茶色に錆び付いていっている。
(おいおい、なんだよこれ)
 これだけ巨大な洋館ならば、引っ越してきた総也にだって、噂くらい届いているはずだ。深い霧に包まれている館は、周囲の異様な空気と相成って、不気味な雰囲気を漂わせる。
 そんな洋館の前に人影があった。しかしそのシルエットは人間のものではないだろうことが総也にもすぐにわかった。明らかに手が長いのだ。そして頭からは二本の突起が生えていて、だらりと後ろに垂れているようだった。
 もちろん恐怖感は抱いた。しかし、総也はそこに行かなければならない。自分の知りたいものへの答えがあるのなら迷わずに進む。デジタルワールドにいたときも、そうやって前に進んできた。
 総也はその門の前にやってきた。
(……っ! ウサギ? メイド? どっち?)
 総也が目を見開いたのは、目の前のシュールな光景のためであった。門番は、ウサギだ。その直立するウサギは、身の丈、二メートルほどありそうだ。真っ赤な瞳を細めて総也とガジモンを凝視している。
 ただ、その耳の間にはメイドカチューシャが置かれ、そしてフリルのたっぷりとあしらわれたデザインのエプロンドレスを着用していたのだった。
「アンティラモーン、お客さんですかー?」
 奥からかわいらしい声がした。パタパタと駆けてきたのは、まさに絵に描いたようなメイドさんだった。見た目、小学校高学年程度だろうか、顔つきはまだまだ子供っぽい。ショートカットで、前髪はきれいに切りそろえられていた。着ている服のデザインは、目の前の直立ウサギと一緒。しかしやってくる彼女の方が、その小柄な体躯と相成って違和感がない。
「光希……」
 振り返ろうとした直立ウサギ。しかしそのせいで頭の上のカチューシャが転げ落ちる。どうやら本当にただのっかっていただけらしい。
 思わず拾い上げて手渡すと、
「……ありがとう」
 直立ウサギは細い目をさらに細めて、笑顔(?)をつくったのだった。
「あ、ガジモン。……もしかしてあなたが総也さんですか?」
「えっ、はい。そうです」
 そのメイドは、一人なにかを納得したようで、
「お待ちしてました。どうぞ、中に入ってください」
 と、改めて一礼。ペコっと頭を下げるだけでややコミカルな動きであった。
「いまからご主人様のところまで、案内しますね」
 ウサギの手によって門が開けられた。
 総也はそのメイドにつれられて、館の中へと足を踏み入れた。

 
 つづく


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