FC2ブログ
一人でできることは一人でやれ。みんなでやることはみんなにやらせろ。
2017/07«│ 2017/08| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2017/09
文字サイズ文字サイズ:大文字サイズ:中文字サイズ:小
--:--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category:スポンサー広告│ コメント:--│ トラックバック :--
00:01:55
 注)エロいんですんで隠します。


*今回の登場人物
 千晴 (ちはる)
 あやめ


 そんでは、つづきからどうぞ

 梶原城は朝から騒がしかった。というのも、その城の姫、千晴が、いつものように行方をくらましていたからである。彼女はその名を城下町にまでとどろかすお転婆姫だった。
 千晴は勉強の時間となると必ず自室から姿を消す。
 それから城じゅうの世話係が総力を挙げて捜索するのだが、敵もさるものひっかくもの、回を重ねるごとに隠れるスキルが上昇していると見える。
 世話係がそう思うのと同様に、千晴も、
(ま、やつらも徐々に腕を上げているようじゃがの)
 ……と、廊下の奥、ちょうど死角になる場所で思っていた。ちらりとのぞかせる顔はまだまだ子供っぽくて、そのぱっちりと開いた黒い瞳は聡明というより狡猾そう。髪は高い位置にまとめられ、簪で止められていた。メリハリのない小さな身体は、まるでネズミのように城のあちこちを走り回るのに都合がいい。
 千晴は着物の袂から小さな球をとりだすと、ぽいっと投げる。球は壁にぶつかり音を立てる。
「なんだ?」
「むこうだ!」
「よし、捕まえろ!」
 捜索隊の注意を引きつけた隙に、千晴は反対側へかけていく。まったく、こんな手にまだ引っかかるとは、その愚かさに千晴は笑いをこらえていた。
 そして千晴は、
(さぁて、今日はなにをしようかの……)
 なんて、期待に胸を躍らせながら裏庭に飛び降りたときだった。
 うにゅ。
 ……なにかを踏んづけたような感触。しかし千晴は、気にせずに足を動かそうとした……が、
「んじゃっ?」
 足が持ち上がらない。千晴は足元を見て驚く。着地したところには、薄い木の板が敷かれ、その上に強力なトリモチが敷き詰められていたのだ。千晴はその粘着罠にまんまと引っかかってしまった。
「ふんっ! うぬぅ~っ! なんじゃ、これくらいぃ~」
 千晴は負けじと足を持ち上げる。しかし、その強力な粘着力の前に、持ち上げられた足はあえなく引き戻されてしまうのだった。
「ぬっ、うぅ~っ! ……ひあぁっ?」
 足踏みをしいるうちに、千晴はバランスを崩してしまった。前に倒れて、両腕と胸から腹にかけて、べっとりとトリモチにくっつく。着ていた着物はトリモチだらけ。あっという間に身体の自由が利かなくなる。
「こ、このっ、ネバネバめぇっ! だ、誰かぁ……」
 と、助けを呼ぼうとして思いとどまる。
 ねずみ捕りのような初歩的な罠に引っかかり、ネバネバの中身動きがとれずにいるなさけない姿を家来に見られたくない。
(なんじゃこれくらい。わらわは姫じゃ。これくらい、なんともない……わぁ……)
 ネバネバの糸を引きながら、千早はなんとか上体を起こした。胸と腹のトリモチの強力な粘着力に、千晴の細い両腕はプルプルとふるえた。四つん這いの格好だが、ちょっとでも気を緩めるとすぐに引き戻されてしまいそうだ。
(このまま、脱出を……)
 ヌチュヌチュという粘着音。少しずつ体を動かして脱出を試みる。着物の方が引っ張られて、脱出する最中に千晴の着物はほとんど脱げてしまっていた。
「うぬぅ……っ! もう、すこ……ひゃぁっ!」
 やっとのことで脱出というところで、気がゆるんでしまう。千晴はまたトリモチ地獄に逆戻り。
「嫌じゃぁっ、このっ、ネバネバめぇっ!」
 ヌチャヌチャ、ネバネバ。
 ヌチャヌチャ、ネバネバ。
 もがけばもがくほど身体はトリモチに絡め捕られてしまう。にっちもさっちもいかない状況で、乱れた着物の姫様は、上体をトリモチ床にゆだね、お尻を高く掲げた格好で動けなくなっていた。
(誰じゃ。姫であるわらわに、こんな仕打ちをしたのは。絶対に、ゆるさぬぅ……)
 肩で息をしながら、千晴は悔しくてその瞳に涙を浮かべた。こんなことをした犯人を同じ目に遭わせなければ気が済まない。しかし自分が動けない今、そんなやる気も空回りである。
(なぜ、誰も来ぬのじゃ……。こんなところ、真っ先に誰かが通りかかってもよいじゃろうに……)
 しばらくネバネバのままじっとしていて、ようやく千晴の頭が静かになった頃、千晴はこの状況の不審さに恐怖を覚えた。
 ここはお城の裏庭である。こんなに目立つところだというのに、さっきから人一人通らないのだ。
(ま、まさか……っ!)
 冷静になった千晴は、これが最初から仕組まれていたのではいかと思ったのだ。もしも世話係が自分をこの裏庭から脱出するようにし向けたのだとしたら……。
 そう思うと、ますます悔しくなる。
 そんな悔しさをかみしめながら、しかしネバネバにあらがうための体力も無くなって、ぐったりとしていった。

 * * *

(……そろそろいいかしら?)
 裏庭の陰から、そんな千晴の様子をのぞいている者がいた。お世話係の一人、あやめである。年齢的には千晴と大差ないが、千晴に比べて長身で、肉体的にも成熟しているため、二人並ぶと姉妹のようである。
 この作戦の発案者は彼女で、トリモチ罠で千晴を捕獲してからずっと眺めていた。なぜならば、
(うふふ……。ネバネバと戯れながらぐったりしていく千晴様ってば、素敵……)
 と、彼女は千晴に対して少々アブナイ欲望を抱いていたのだ。
 彼女の役目は、少々お転婆が過ぎる千晴に罰を与えること。
 たとえば、千晴を縛ってずっと正座させたり、お尻を叩いたりする。水責めのような拷問まがいのこともしたこともある。あやめは「教育の一環」と言い張るが、城の中にはやりすぎとの声も間々ある。
(それじゃあ、運びましょうか)
 あやめは自分の部下を呼ぶと、千晴のくっついたトリモチ床を城の地下へと運ばせた。


 つづく


コメント
コメントの投稿










トラックバック
トラックバックURL
→http://unrealgraffiti.blog20.fc2.com/tb.php/308-c9a83238
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
FC2カウンター
ようこそ
人目の旅人様
プロフィール

誘宵

Author:誘宵
ものかきやってます。
こっちのブログはもう更新しないので、
新しいブログの方をよろしくお願いします。

カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。