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一人でできることは一人でやれ。みんなでやることはみんなにやらせろ。
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15:17:46
 このお話を初めから読む↓
 Log.1 帰還(めざめ)
 Log.2 組織(だすと)
 続きからどうぞ。

「さて、ここについてもう少し補足しておこうか……」
 天菜は、これから総也が所属する「ダスト」について解説を始めた。
 発端は十数年前、デジタルワールドとリアルワールドの両方を揺るがすような事件が起きたことだった。それから数年後にダストは結成された。
「そのころから、リアルワールドとデジタルワールドの境界は非常に曖昧になってきたんだ。もともと、この土地自体が異世界との境界がもろいっていうのもあるけど……」
「なにそれ、デジタルワールド以外にもそういうのがあるの?」
 天菜の説明を遮りガジモンが口をはさんだ。
「あるある、たくさんある。けどそれに関しては、今回は関係ないから説明は略ね。話をつづけるよ」
 人間がネットワークに触れる時間が長くなるのに正比例するように、この二つの世界の境界はどんどん曖昧になっていく。そして新たな問題が現れてきた。ネットをしていた人間が突然意識不明になったり、パソコンから怪物が飛び出してきたりというような、怪談めいた事件がたびたび起きるようになったのだ。
 調査を進めるうちに、そのようなことが起きる際、必ず周辺に濃い霧が発生することが判明した。異なる「世界」の境界線がこすれあうことによって生じるその現象は「クロスフォッグ」と名付けられた。
「ダストは、そういう異次元からの来訪者も扱う組織だからね。ただその中ではデジモンが圧倒的多数を占めていたんだ。そこでボクたちは、デジモンと協力してこの現象によってやってきたデジモンをデジタマにして送還することにきめたんだ」
「まるでもともとデジモンと交流があったみたいないいかただな」
「総也くんは知らなくて当然だけど、デジタルワールドとリアルワールドって、案外近いんだよ? 昔っからね」
「『電脳世界はもう一つの現実』……」
 そのとき総也がつぶやいた言葉に、天菜が「誰の言葉?」と尋ねた。
「いや、金沢にいる親父がそんなことをよくいっていたんで」
「そうか……まあいいや。とにかく、ボクたちの仕事についてはわかってもらえたかな」
「だいたいわかったわ。要するに、やってきたデジモンをやっつけてデジタルワールドに送り返してやればいいんでしょ」
 しゅっしゅっとガジモンは拳を突き出して見せる。
 あまりにも乱暴な理解だが、総也も多分それで間違いないだろうと思った。
 しかし、この話を聞いているだけでは自分の目的を達成できるのかどうかわからない。自分からデジモンに会いに行けるわけではないのだ。クロスフォッグなるものが発生して、デジモンが現れるのを待つことしかできない。
(でも、手掛かりをすべてなくすよりはましか……)
 デジモンに対しては、自分自身知らないことがたくさんある。
 情報収集のためにも、この組織は利用する価値がある。
「そういえば、まだですね」
「?」
 気づけば、光希が総也のことをじっと見つめている。
「あ、あの……なんですか?」
「総也くんのこと、お名前しか聞いてません。もっといろいろ聞きたいので、今日はここでご飯を食べていきませんか? 腕によりをかけておいしいものを作りますから」
 にっこりと笑顔を見せたあと、総也の答えを聞くより先に光希は台所へと向かっていった。基地の中には簡素ながらも調理場が設けられているらしい。その奥から、
「あーっ、天菜さん、またカップラーメンを夜食に食べましたね! 身体に悪いからそういうのは控えてくださいっていったじゃないですかー!」
 と、光希の声が聞こえてきたが、天菜は知らんぷり。
「……ガジモン、どうする?」
「どうする、って、あたしに聞かないでよ。総也がいいならいいんじゃない」
「じゃあ、ごちそうになろうか」
 家には後で連絡することにして、総也は夕御飯をごちそうになることにした。


 帰り道、あの洋館に行くまでの道順は決まっていたが、帰りはそんなことはなく、ちょっと道を外れればいつもの町並みが広がっていた。
「不思議なところだったわね」
 それが現実かどうかを疑ってしまうくらい浮世離れした場所だった。
「ああ、でも……」
 総也はお腹をさする。この満腹感は現実だ。さすがメイド見習いと紹介されるだけあって光希の料理は絶品だった。自分より幼そうな少女だというのに、いったいどんな英才教育を受けているのだろう。なによりもそんな教育をする施設が現実にあることに驚きだった。
「ねえ、人間の男って、手料理程度で喜ぶものなの?」
「どうしたのガジモン、急に」
「ううん、なんでもないわ」
 ガジモンの唐突な質問に、まさか料理でもするつもりなのかと思い、総也は、
「……無理しなくてもいいよ」
 と、伝えておく。体のつくりが違うのだ。人間のように料理できるはずがない。
「なによその反応、まだなにもいってないじゃないの!」
 しかしその総也の想像は図星のようで、その反応はガジモンを怒らせてしまう。
 帰り道、総也はガジモンの鋭い牙から逃れるのに必死だった。


 つづく


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