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一人でできることは一人でやれ。みんなでやることはみんなにやらせろ。
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09:51:40
キャラクター紹介はこちらから
            
*このお話を初めから読む↓
 Log.1 帰還(めざめ)
 Log.2 組織(だすと)
 Log.3 進化・前編(かつぼう)
 Log.4 進化・後編(たいぼう)
  
 続きからどうぞ。

「おーい、ガジモーン」
 茂みをかき分けながら呼びかけてみるが、返事は返ってこなかった。
 クロスフォッグの中は非常に広く、ガジモンもここからかなり離れている場所にいるようだった。霧の規模はデジモンの大きさや数による。今回の場合どちらなのか、総也にはわからないが、トノサマゲコモンを送還しても霧がなくならないということは、おそらくまだどこかにデジモンがいるということだろう。
(……なのに、一人で霧の中に分け入っちゃったな。う~ん、やっぱり一度光希さんと合流したほうがいいか)
 と思って振り向くが、霧は濃く、自分がいったいどこからやってきたのか分からない。デジヴァイスの通信機能は、
「うわ、壊れてる」
 故障してしまっているようだった。トノサマゲコモンの音波攻撃で内部の装置がやられてしまったらしい。これではガジモンの場所を探すのにデジヴァイスを頼ることができない。
(しかたがない。アナログに探すか……)
 総也は霧の中、おのれの直感を頼りに進んでいく。
 ガジモンの名前を呼ぶが、しかし反応はない。
(それにしても……。この霧、本当、子供のころを思い出すよなぁ……)
 総也が思い出していたのは、まだ小学校に上がる前、父親が単身赴任している金沢に遊びに行った時のことだった。
 その日は近所の神社で夏祭りが行われていた。
 そこで総也はこれと同じ霧の中に迷い込んだのだった。
(あの時見たのは……)
 四本足の黒い影。犬のようなオオカミのようなうめき声だった。鋭く光る眼光が六つ。頭は三つあるらしい。足元を見ればぼたぼたと落ちる涎が石畳に斑点をつけている。
――食べられる。
 幼いにもかかわらず、本能的に総也はそう思ったのだった。
 逃げようにも恐怖にかられて足が動かない。
 そのとき現れたのが真っ白く光る……なにか。
 人型……だったか、記憶はあいまいだが、たしかにその光るなにかは言ったのだ。
 
   電脳世界で、待ってるから   
 
(まあ、子供のころの記憶だしな、もう曖昧か)
 思考が寄り道してしまったが、総也はガジモン探しに集中することにする。
 そのとき、突然茂みの中からなにかが飛び出してきた。
「うわっ!」
 総也はしゃがんでそれをかわした。
 振り返ればそこにいたのは、
「デジモンっ? そうか、まだ霧の中だから……」
 そう、ここはまだクロスフォッグの中。デジモンが現れても何ら不思議ではない。
 ……などと、ゆっくりと考えている場合ではなさそうだった。
 その飛び出してきたのは恐竜のような姿をしているデジモンだった。羽や腕などが金属質の鎧で覆われている。重たそうだが、そんなものは重荷にもなっていないということは先ほどの跳躍を見れば明らかだ。
(こいつ、ナニモンだ?)
 と、デジヴァイスを見るが、故障してしまっていることに気づく。
(そうだった。まったく、ガジモンがいないこんなときに……。しかも……)
 姿勢を低くしてこちらを睨みつけているそのデジモン。鋭い瞳は総也のことをとらえて離さない。
(俺を狙っているのか?)
 先に動いたのはそのデジモンのほうだった。飛びかかってくるそれを、なんとか総也はかわしていく。跳んだり反ったり、自分でもこんな動きができるとは思わなかったが、火事場の馬鹿力というのは本当にあるらしい。
 死にたくないという本能が、総也を動かしていた。
 それにしても、このデジモンは今までのそれとは違っているように見えた。
 だいたい人間世界に迷い込んだデジモンは、環境の変化に混乱してしまうものだが、このデジモンは違う。動きが闇雲ではない。確実に総也のことを狙っている。
(どうなっているんだ。こいつ、目的は俺? 一体なんでっ?)
 もちろん総也にデジモンに追われる羽目になるようなことをした覚えはない。しかし話の通じる相手ではなさそうなのは火を見るよりも明らかだ。立ち向かう力も持ち合わせていないので総也は逃げるかかわすかしかない。
 だが、そんなオニゴッコもずっと続くわけではなかった。
 総也は林の木の根に足を取られてしまう。転倒した総也の上をデジモンが飛び越えていった。
「いっつー……っ!」
 よろりと立ち上がったところに、そのデジモンが突撃した。突き飛ばされた総也は、木の幹に背中を打ちつけた。
 そのすきにデジモンは総也のすぐ目の前までやってきていた。目と鼻の先に牙をむき出しにした顔がある。もうなってしまえば、もう総也に逃げ場はない。
(やばい……これ、死ぬ……)
 絶望的な状況。しかし総也はここで死ぬわけにはいかない。
 子供のころに交わした約束を果たすまでは。
「うわああああぁぁぁぁぁっ!」
 総也はありったけの声を出した。デジモンはひるんで一旦総也から離れた。
「はぁ……はぁ……。まだ死ねないんだ……俺は……」
 総也は立つこともままならないが、しかしそばに落ちていた太い枝を手にとってかまえた。もちろん総也に剣道の経験なんてない。そんなものはわるあがきだが、あがかずにはいられない。
 それを見たデジモンは、低く唸り、そしてまた総也に飛びかかった。
 今度こそダメだと、総也は目をつむって痛みに備えた。
         
 つづく


コメント
はじめまして。デジモン大好きなのでとても楽しめました!面白かったです!続き期待してます。

K│URL│2011/05/18(Wed)00:25:57│ 編集
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