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一人でできることは一人でやれ。みんなでやることはみんなにやらせろ。
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13:20:03
 久しぶりの更新。

キャラクター紹介はこちらから
            
*このお話を初めから読む↓
 Log.1 帰還(めざめ)
 Log.2 組織(だすと)
 Log.3 進化・前編(かつぼう)
 Log.4 進化・後編(たいぼう)
  
 続きからどうぞ。

「……生きてる」
 おそるおそる目を開いた総也はまずそう思った。
「ガジモンっ!」
 大きく開いた相手の口を、ガジモンが抑え込んでいた。相手のあごの力が相当なものらしく、細い腕がプルプル震えているのが分かった。
「総也、無事っ? 生きてるっ?」
「ああ、なんとか。ありがとう、ガジモン」
「当然でしょ。あんたが心配して探しに来ると思ったから、こっちから来てやったのよ!」
 ガジモンはそのまま相手を投げ飛ばした。
「ラプタードラモン。こんなやばいのがまだ霧の中にいたとは思わなかったわ」
「ラプタードラモンっていうのか」
「デジヴァイスで調べる余裕もなかったの?」
「壊れたんだ。トノサマゲコモンの攻撃で」
「そう……だからなかなか見つけなかったんだ」
「……見つけてほしかったのか?」
「そ、そんなわけないでしょ! そんなこと……。あたしのせいだもん。総也を守れないのも、怪我させちゃうのも、進化できないのも……」
 ガジモンはうつむく。言葉もはっきりしない。
(気にしていたんだな、進化できないこと)
 総也はガジモンの頭を撫でた。
「俺は大丈夫だ。俺の目的を達成するまで、俺は死ねない。それに、どんなに俺が危ない目にあっても、ガジモンは俺よりずっと危ない目にあってる」
「でも、進化できなくちゃ、総也をもっと守れない。完全体と戦えない。誰かに助けられなくても、総也を守れるようになりたいのよ! ……だから、進化できるテリアモンがうらやましくて……進化できるテリアモン達に助けられたのが悔しくて……」
「だから、飛び出していったのか」
「ごめんなさい……」
 ガジモンは肩を震わせた。
 そのとき、むくりとラプタードラモンが起き上った。
「総也、今度はうまくやる。ちゃんと時間稼ぎしよ。きっと光希が見つけてくれるから」
 ガジモンは臨戦態勢になる。
 ラプタードラモンは標的を総也からガジモンに変更したらしく、その眼光はガジモンをとらえていた。
「プラグインがなくても、あんたくらい止めて見せるんだから」
 とびかかるラプタードラモン。迎え撃つガジモンは、がしっと頭を抱えた。そこでラプタードラモンはガジモンごと飛び上がる。
「ひぎぎぃ……。絶対に、離さないんだからぁ……」
 目隠しされたラプタードラモンはあちこち飛び回ってガジモンを振り払おうとしているようだが、しっかりとガジモンはしがみつき、離れない。
 その様子を総也は地上から眺めていた。
(ガジモン……。俺に……なにができる……)
 見るからに劣勢。このままではガジモンが不利。総也はそのデジモンへの手掛かりとなるだろうガジモンを失いたくない。
 いや、それだけではない。
 自分をずっと助けてくれたガジモンの力になりたかったのだ。デジタルワールドを彷徨っていた時も、降りかかったさまざまな危険なことから守ってくれたのがガジモンだ。
(こんなときに、ガジモンの力になってやれないなんて……)
 今まではプラグインを使っての補助ができたが、デジヴァイスが壊れてしまってはそれもままならない。だがこのままなにもしないのはいやだ。テイマーとして、ガジモンの力になりたい。
 勝たせてやりたい。
 進化させてやりたい。
「ガジモン……」
 総也は壊れたデジヴァイスを握る手に力を入れる。
 そのとき、デジヴァイスから光が漏れた。
「なんだ、これ……」
 壊れているはずなのに、デジヴァイスのディスプレイには表示がある。
 そしてそれは、形勢逆転を意味するものだった。
「ガジモン……っ!」
 その声に、ガジモンが総也のほうを向く。
「進化だーっ!」
 デジヴァイスから放たれた光が、ラプタードラモンにしがみつくガジモンを撃ち抜いた。
            
(なに、これ……)
 その光に、ガジモンは身体の奥底から湧き上がる力を感じた。
 温かく、激しい。自分が待ち望んだものだということがはっきりとわかる。
「これが、あたしの……進化っ!」
 湧き上がる力に、身体が膨れ上がって、爆発したみたいだった。
 ガジモンの姿が変わっていた。
「ガジモン進化、ミケモンっ!」
 名前の通り、見た目は三毛猫のような姿をしていた。
「進化した。でも……ネコ?」
 テリアモンがガルゴモンに、ロップモンがトゥルイエモンに、そうなるように力強い容姿になるかと思ったが、サイズは前よりも小さくなっているような気がする。
「だからって、ナメてもらっちゃ困るわよ!」
 ミケモンのパンチがラプタードラモンにクリーンヒット。
 不意打ちにラプタードラモンは姿勢を崩して落下する。そこにミケモンはなんどもパンチをたたきこむ。
「すごい……」
「あたしもびっくり。これが成熟期なんだ……」
 進化した自分の能力の上昇に驚いているのはほかでもないミケモンだった。
「でも、これで人並みに戦える。見てなさいよ。今のあたしは、かなりできるから!」
 起き上ったラプタードラモン。ミケモンはすかさず攻撃する。スピードは進化前のガジモンよりもずっと上だった。決定打になるようなものは与えられていないが、ラプタードラモンはミケモンのすばしっこい動きに翻弄されているようだった。
「あたしを無視して総也を狙うなんて、なんのつもりかわからないけど、あたしを無視したことを後悔させてやるわっ!」
 右から左へ、ミケモンのラッシュは続く。
「とぉりゃあぁあああぁっ!」
 ミケモンの渾身の右ストレートが決まった。ラプタードラモンは吹き飛ばされて、林から広場に飛び出す。
「いける。いけるぞガジモン!」
 総也が興奮したようにいう。
 ミケモンは、
「総也、今は進化してミケモンよ」
 と訂正。
「そうだったね、ミケモン」
「さぁて、さっさと片付けましょ。あたしの総也に怪我させようとしたんだもの。絶対許さない!」
 ミケモンは広場に出る。
 そこで再びラプタードラモンと対峙した。
 すでに瀕死のラプタードラモンだったが、最後の力を振り絞り、ミケモンに向かってくる。ミケモンはその攻撃を見切る。そして懐に潜り込むと、
「ネコクロォォォォォォォォッ!」
 鋭い爪を飛び出させ、そのままラプタードラモンの腹部をえぐった。
 断末魔の悲鳴をあげて、ラプタードラモンはデジタマに帰った。
「はぁ……はぁ……。やった……。総也、あたし、勝ったっ!」
「ああ、すごいぞミケモン!」
「うん。うん……。ありがとう、総也。あたし……総也のおかげで……進化……」
「おいおい、しゃべるか泣くかどっちかにしろよ」
 ミケモンは顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。
 どうやらこの近辺にはデジモンはいないらしく、霧が晴れていく。
「ああっ、総也くん、やっと見つけました!」
 その声は光希だった。
「……って、その抱いているデジモンは?」
「ああ、ガジモンが進化したんです。ミケモンに」
「そうですか、おめでとうございますっ!」
 光希は笑顔で、ガジモンの進化を祝ってくれた……かのように見えたが、
「……なんて、総也くんもガジモンちゃんも勝手な行動をしすぎです! 霧の中はすごく危険なんですよ! 総也くんだってわかっているでしょう! それなのに、一人で勝手に奥に行っちゃうし、連絡を取ろうにもつながらないし……すごく、すごく心配したんですからっ!」
 普段は怒っても怖くない光希だが、今回はより必死さが伝わってきた。小さい身体ながらすごい剣幕で、総也たちにしゃべらせる隙を与えない。
「あの……すみませんでした」
「ごめんなさい」
「わかればいいんです! とにかく、もう余計な心配をさせないでくださいよね。今回は、ガジモンちゃんが進化できたのでよかったですが、これからはちゃんとわたしの言うこと聞いてくださいよ」
 光希はやっと落ち着いたようだった。
 そのあと、天菜から二度目の説教をくらったのは言うまでもない。
            
 天菜の説教から解放されて、やっと家に戻ってきた。
 ぐったりしてそのままベッドへ。
 しかし頭の中をめぐっているのは、あのラプタードラモンだった。
(あのデジモン、俺を狙っていたんだよな)
 あのラプタードラモンは、総也とあう前にガジモンをあっている。本来ならば、まずはガジモンに戦いを挑むはず。というのは、あのラプタードラモンの攻撃性を考えれば、まず餌食になるのは先に出会ったガジモンのはずだからだ。
 しかしラプタードラモンはまっすぐに総也のことを狙ってきた。それは最初から、この世界に総也を目的としてやってきたかのようだった。
 いま、ゆっくりガジモンとのデジタルワールドの旅を思い返してみる。……やはり総也に心当たりはない。
(なんで、俺を狙ってきたんだ……?)
 しかし、心当たりはない。
「なに考えてるのよ総也」
 ひょこっとミケモンが顔を出した。
「ああ、別に……」
「総也がそういうときって、絶対なにか考え事をしているときよね」
「そうだっけ? でも、本当に何でもないよ」
「そう……。でも、これであたしも成熟期、これからばんばん総也の役に立っていくから。そしてあのデジモンを見つけようね」
「ああ、これからもよろしく。ミケモン」
 頭を撫でるとミケモンは目を細めた。
    
 つづく


コメント
待ってました!面白かったです!
でもミケモンってどんなのか知りません・・・。
次回も気長に待ってます。

K│URL│2011/05/29(Sun)23:36:27│ 編集
Re: タイトルなし
> 待ってました!面白かったです!
> でもミケモンってどんなのか知りません・・・。
> 次回も気長に待ってます。

ありがとうございます。
こちらの連載はかなり不定期なので、気長にお待ちください。

六病│URL│2011/05/30(Mon)23:20:50│ 編集
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